いつも
自分のことなんて誰も気にしちゃいないと思っていた
自分の歌なんてたいして誰も聴いていないと思っていた
自分のギターなんてどうでもいいんだろうと思っていた
ここに立っているのが自分じゃなくたっていいんだろうって思っていた
いつも
ステージの真ん中 ただぽっかりと
一年前
ずっと一人で音楽をやる力がほしいと思っていた
恵まれた環境にいることはわかっていたけど
それでも一人でやりたかった
このバンドをやめたら誰も私の音楽は聴かなくなるかもなと思った
それでも一人でやりたかった
非力な自分のことは重々承知していたけど
ただつらかった ひねくれてしまうほどつらかった
どうしてこんなにひとりぼっちなんですか?
どうしてこんなに疎外されるんですか?
私は いないほうがいいですか?
何も見えていなかった
「obscureは勉強になったけど、辛い気持ちしかなかったのです」
解散してしばらくしてから、サポートドラム君から突然のカミングアウト
泣いた
ごめん ごめん ごめん
それも見えていなかった
私
誰からも求められなくても音楽はやるし
誰に何を言われようが音楽はやるし
ハンドルは自分で持つ アクセルは自分で踏む
人生の運転手は私 荒々しい運転手
車体で運転が変わるってことは無い 人の指図は受けない
来た道は戻らない 前にしか進まない
暴走させてください 暴走します 暴走します
そして暴走し続けて現在
今
私は本当にobscureだったんだって思う
その血が間違いなく流れている 現在の曲を聴くと思う
音楽にしっかり 息づいている、刻まれている
私がobscureだった
今
一人で音楽をやる力がほしいだなんて
ずいぶん馬鹿なことを思っていたんだなと思う
小娘がえらそうにハンドル持って アクセル踏んで
悲しみのガソリンで 危なっかしい初めての長距離ワンマン運転
でも一人じゃありませんでした
笑顔で仲間が同乗してくれました
そしてその車を後ろから
まっすぐ進むようにって ずっと ずっと
押し続けてくれたのは 応援してくれる人達でした
バックミラーが美しい
ようやく
フロントガラスの曇りが晴れ出す
もう よく見える
次
最終コーナーに入ります
本当に
読んでくれてありがとう!